2026年診療報酬改定_医科歯科連携算定項目まとめ






✅ 本記事は告示・通知に基づく確定情報です

本記事は令和8年3月5日発出の正式告示・通知に基づいています。点数・算定要件は確定済みです。疑義解釈(Q&A)は随時発出されるため、実際の算定にあたっては最新情報を必ずご確認ください。
施行日:令和8年6月1日

2026年改定で「医科歯科連携」がさらに充実します

2026年(令和8年)の診療報酬改定では、「医科歯科連携」が最重要テーマの一つとして位置づけられ、入院・外来の両場面で新たな算定項目が創設されました。

本記事では、【第1章:新設・拡充された4つの柱と改定の背景】を解説したうえで、【第2章:種別ごとの算定項目】として「A:歯科のない有床病院」「B:地域包括ケア病棟」「C:内科・糖尿病内科」に分けて整理します。訪問歯科診療所として、どの機関にどんな提案ができるかが一目でわかる構成です。

📋 タグ・色の見方

新設2026年に新たに設けられた項目(★マーク)
見直し既存項目の点数UP・対象拡大等
既存現行から継続の項目

青ヘッダーの表=医科・病院側が算定する項目

緑ヘッダーの表=歯科医院が算定できる項目



第1章 2026年改定における医科歯科連携の全体像

2026年(令和8年)診療報酬改定では、「医科歯科連携」が最重要テーマの一つとして位置づけられ、入院・外来の両場面で新たな算定項目が創設されました。

1-1. 新設・拡充された4つの柱

番号 項目名 点数 算定する側 場面 主な対象
口腔管理連携料 新設 600点 医科 病院 入院 歯科のない病院の入院患者
医科連携訪問加算 新設 +500点 歯科 歯科医院 入院 ①と同一の入院患者
歯科医療機関連携強化加算 新設 60点 医科 内科等 外来 糖尿病外来患者(年1回)
リハ・栄養・口腔連携体制加算(拡充) 見直し 150点/日 医科 病院 入院 急性期・地域包括ケア病棟等

1-2. 改定の背景

入院患者の誤嚥性肺炎・術後感染・ICU滞在延長と口腔衛生の関係が医学的に確立しているにもかかわらず、歯科のない病院が歯科医院へ患者を紹介しても病院側には収益が発生しない構造でした。今改定では病院・歯科双方に経済的インセンティブを付与することで、医科歯科連携を推進させようとする国の姿勢が見えます。

1-3. ①②の連動(入院ルート)

【連携フロー】

病院が入院患者の口腔スクリーニングを実施
口腔課題を発見 → 連携歯科医療機関へ紹介(診療情報提供)
歯科医院が訪問診療を実施
【医科・病院が算定】①口腔管理連携料 600点(歯科診療が行われた日)
【歯科医院が算定】②医科連携訪問加算 +500点(歯科訪問診療1に加算)
歯科1回あたりの合計:訪問診療1,100点 + 加算500点 = 1,600点

⚠️ ①と②は別の医療機関が各々算定するため、同日に双方が算定することは問題ありません。



第2章 種別ごとの算定項目

A:歯科のない有床病院

📌 ポイント

「①口腔管理連携料(600点)と④リハ栄養口腔連携体制加算(最大2,100点/患者)を組み合わせると、病院に大きな収益インパクトがあります。届出さえすれば取れる点数です。」

【表①】病院(医科)が算定できる新設・拡充項目

算定項目 点数 算定回数 主な要件 歯科側のメリット
①口腔管理連携料 新設 600点 入院中1回 歯科のない病院が連携歯科へ紹介し、歯科診療が行われた日に算定 ②医科連携訪問加算500点が算定可能になる(依頼元要件を充足)
④リハ・栄養・口腔連携体制加算 見直し 150点/日 最大14日
(2,100点)
急性期・地域包括ケア病棟等で口腔管理体制の整備が必要 口腔管理体制の構築支援者として訪問 → NST参加(在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)区分1:100点)等も算定可

【表②】同一入院患者に対して歯科医院が算定できる項目

算定項目 点数 算定回数 備考
②医科連携訪問加算(C000注22) 新設 +500点 訪問毎 医科病院からの正式依頼が必須。周術期管理中の患者には算定不可(別ルート)
在宅患者連携指導料(C007)
歯科医療機関
100点 月1回 他の医療機関等から文書により患者の診療情報提供を受け、療養計画を作成して患者に説明した場合
在宅患者緊急時等カンファレンス料(C011) 200点 月2回 関係医療機関が共同でカンファレンスを実施した場合。ビデオ通話での参加も可
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料 区分1(C001-7) 100点 月1回 他の保険医療機関に入院中の患者のNSTへの参加(歯科衛生士も実施可:2026年改定より)

📋 在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)の区分と対象施設について

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への訪問でNST連携(食事観察等)を行った場合は、区分2(100点・月1回)で算定します。区分1は「他の保険医療機関に入院中の患者」が対象です。なお、区分4は2026年に新設された自宅療養患者向けの区分であり、有料老人ホームには適用しません。

■ 口腔管理連携料(①)詳細

算定する側 歯科のない医科の保険医療機関(病院)
点数・回数 600点 入院中1回
基本要件 口腔状態に課題を有する入院患者が歯科診療を受けられるよう歯科医療機関と連携した場合に、歯科診療が行われた日に算定。
施設基準
  • 歯科診療を行わない保険医療機関であること
  • 事前に歯科医療機関との連携体制を構築し、地方厚生局に届出
  • 連携歯科医療機関を明示した文書(連携協定等)の整備
⚠️ 注意事項 B009 診療情報提供料(Ⅰ)240点は本料金に含まれるため別途算定不可
改定の背景 改定前は病院が歯科へ紹介しても病院側に収益がなく、動機が生まれなかった。病院・歯科双方へのインセンティブ付与で医科歯科連携を推進させようとする国の姿勢が見えます。

■ 医科連携訪問加算(②)詳細

算定する側 歯科 歯科医院(C000 注22)
点数・回数 +500点(歯科訪問診療1に加算)
→ 訪問診療1(1,100点)+本加算(500点)= 1,600点/回
算定要件
  • 歯科以外の診療のみを行う保険医療機関からの依頼に基づくこと
    (患者・家族・ケアマネ等からの依頼では不可)
  • 依頼元病院が口腔管理連携料の施設基準を届出していること
  • 口腔状態に係る課題のために医科における治療上の課題が生じている患者
⚠️ 併算定不可 周術期等口腔機能管理計画策定料・周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)〜(Ⅳ)・回復期等口腔機能管理計画策定料・回復期等口腔機能管理料
→「周術期管理ルート」と「医科連携訪問ルート」は完全に別。一般入院患者が対象
歯援診1との連動 本加算の算定実績は歯援診1の連携実績要件(ニ)にカウントされる(過去1年に1回以上で充足)
→ 病院連携推進が施設基準の維持・取得にも直結

B:地域包括ケア病棟

📌 ポイント

「2026年改定でリハ・栄養・口腔連携体制加算が地域包括ケア病棟にも適用拡大されました。施設基準の『口腔管理体制』要件を当院がサポートします。患者1人あたり最大2,100点が病院側に発生します。」

【表⑤】地域包括ケア病棟が今回から算定可能になった項目

算定項目 点数 算定上限 主な要件・備考
④リハ・栄養・口腔連携体制加算(地域包括ケア拡大) 見直し 150点/日 最大14日
(2,100点)
今改定で地域包括ケア病棟にも拡大。施設基準に「口腔管理を行うにつき必要な体制の整備」が必須。

■ リハ・栄養・口腔連携体制加算(④)詳細

算定する側 医科 地域包括ケア病棟を持つ医科の病院
点数・回数 150点/日 最大14日(最大2,100点/患者)
施設基準
(口腔関連)
「口腔管理を行うにつき必要な体制が整備されていること」
→ 歯科のない病院は外部の歯科医院のサポートなしには体制を構築できない
歯科医院が連携先として参画することで施設基準を充足させる重要な役割を担う
改定の背景 急性期病棟に留まらず地域包括ケア病棟での早期からの口腔管理が退院後のQOLに影響することへの評価。今改定で地域包括ケア病棟への適用拡大が実現。

【表⑥】同一患者で歯科医院が算定できる項目(地域包括ケア場面)

算定項目 点数 算定回数 備考
歯科訪問診療1(C000) 1,100点 訪問毎 基本点数
②医科連携訪問加算(C000注22) 新設 +500点 訪問毎 医科依頼が必要。周術期管理との併算定不可
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)区分1(NST参加) 100点 月1回 他の保険医療機関に入院中の患者のNSTへの参加(歯科衛生士も実施可:2026年改定より)
訪問歯科衛生指導料(C001) 見直し 380点
(単独)
月4回 2026年改定で1人区分は380点に引上げ(旧362点)

📋 在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料(C001-7)の区分と対象施設について

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への訪問でNST連携(食事観察等)を行った場合は、特定施設指定の有無にかかわらず区分2(100点・月1回)で算定します。区分2の対象施設は令和元年に拡大され、養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム・認知症対応型共同生活介護・サ高住が追加、その後R04でC001-7として独立した際に引き継がれ現在に至っています。なお、区分4は2026年に新設された自宅療養患者向けの区分であり、有料老人ホームには適用しません。

C:内科・糖尿病内科

📌 ポイント

「歯科医療機関連携強化加算(60点)は届出さえすれば、糖尿病患者に歯科受診を勧奨するたびに算定できます。患者の健康管理にもつながる win-win の制度です。」

⚠️ ご注意:C(内科・糖尿病内科)は外来連携のため、訪問歯科診療所が直接算定できる項目はありません。歯科側のメリットは「内科からの紹介患者の受け入れ」という形で間接的に現れます。

【表③】内科が算定できる新設加算

算定項目 点数 算定回数 主な要件・備考
③歯科医療機関連携強化加算 新設 60点 患者1人
年1回
糖尿病を主病とする外来患者に歯科受診を勧奨し、口腔状態の改善に係る管理を行った場合。生活習慣病管理料への加算として位置づけ。

■ 歯科医療機関連携強化加算(③)詳細

算定する側 医科 内科等の保険医療機関(外来)
点数・回数 60点 患者1人につき年1回
算定要件
  • 糖尿病を主病とする外来患者
  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定していること
  • 歯科受診を勧奨し、歯科医療機関から文書により口腔状態の情報提供を受けた場合
歯科側の対応 歯科側には直接の加算報酬はないが、内科からの紹介で外来新患が増加し、その後の定期管理(歯周病継続支援治療等)につながる。歯科側は「紹介患者の受け入れ体制」と「内科への文書返送の仕組み」を整備することが重要。
改定の背景 糖尿病と歯周病の双方向的な関係は医学的に確立。口腔管理により糖尿病のコントロール改善が期待できる根拠に基づき、内科主治医が口腔管理に積極的に関与するインセンティブを新設。

【表④】同一患者で歯科医院が関連して算定できる項目(外来歯科)

算定項目 点数 算定回数 備考
歯周病継続支援治療
(SPT・P重防の統合改編)
170〜350点 月1回
(2月以上間隔)
重症化予防連携強化加算(+100点):他の医療機関からの情報に基づき実施し、診療情報を提供した場合
歯科疾患管理料 見直し 90点 月1回 2026年改定で初診月・再診月ともに一律90点に変更(従来は初診月80点)

⚠️ 訪問歯科診療所への注意:上記の歯科側算定項目は外来歯科での算定が前提です。訪問歯科診療所が内科連携の紹介患者を訪問診療として受け入れる場合は算定の可否を個別に確認してください。

出典:令和8年3月5日発出の正式告示・通知に基づき作成。疑義解釈(Q&A)は随時発出されるため、実際の算定にあたっては最新情報を必ずご確認ください。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況については関係機関にご確認ください。

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