2026年2月14日
✅ 本記事は答申に基づく確定情報です
本記事は「個別改定項目(その1)~(その3)」(令和8年1月23日~30日公表)および中医協答申書(令和8年2月13日)に基づいています。点数は答申により確定済みです。正式な告示・通知(3月上旬予定)で施設基準の詳細等が確定します。
2026年度 歯科診療報酬改定の主要項目
施行予定日:2026年6月1日(薬価改定は4月1日)
本記事では、物価高騰・賃上げ対応、医療DX、歯科疾患管理、歯周病治療、在宅歯科医療に関する改定項目を抜粋してお伝えします。
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1. 物価高騰・賃上げ対応
新設 歯科外来物価対応料
【要約】物価高騰に対応するため、初診時・再診時に算定する新たな評価。令和9年6月以降は点数が2倍(100分の200)となる。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 初診時 | 3点 | 1日につき算定 令和9年6月以降は100分の200 |
| 2 再診時 | 1点 |
【算定要件】
入院中の患者以外の患者に対して初診・再診を行った場合に算定。令和9年6月以降は100分の200に相当する点数を算定。
見直し 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)
【要約】継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外で異なる評価。対象を「主として医療に従事する職員」から「勤務する職員」に変更。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 1 初診時 | 21点 |
| 2 再診時等 | 4点 |
| 3 歯科訪問診療時(同一建物居住者以外) | 66点 |
| 3 歯科訪問診療時(同一建物居住者) | 11点 |
新設 歯科技工所ベースアップ支援料
【要約】歯科技工所に従事する歯科技工士の賃金改善を図るため、補綴物等の製作委託時に算定。1装置につき15点
【施設基準】
歯科技工士が所属する歯科技工所に補綴物等の製作等の委託を行っている保険医療機関であり、歯科技工所に勤務する歯科技工士の賃金の改善について十分に支援していること。
2. 医療DX・ICT関連
新設 電子的歯科診療情報連携体制整備加算
【要約】従来の「歯科医療DX推進体制整備加算」を廃止し、新たな体系に再編。
| 区分 | 点数 | 算定 |
|---|---|---|
| 初診料 電子的歯科診療情報連携体制整備加算1 | 9点 | 月1回 |
| 初診料 電子的歯科診療情報連携体制整備加算2 | 4点 | 月1回 |
| 再診料 電子的歯科診療情報連携体制整備加算 | 2点 | 月1回 |
【施設基準(主なもの)】
- 電子情報処理組織による請求
- 明細書の無償交付
- 電子資格確認(マイナ保険証)の体制
- 電子処方箋の発行体制又は調剤情報の電磁的登録体制
- 院内掲示・ウェブサイト掲載
※明細書発行体制等加算との併算定不可
3. 歯科疾患管理・口腔機能管理
見直し 歯科疾患管理料
【要約】評価を見直し。「初診日の属する月に算定する場合は80%」という規定を削除し、初診月も再診月も同一点数に。
| 現行 | 改定後 |
|---|---|
| 100点(初診月は80点) | 90点(初診月・再診月とも同一) |
見直し 小児口腔機能管理料
【要約】対象患者を「口腔機能の発達不全を有する18歳未満の児童」から「口腔機能発達不全症の18歳未満の患者」に変更。評価項目の該当数に応じた2段階評価に再編。オンライン診療も可能に。
| 区分 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 小児口腔機能管理料1 | 評価項目3項目以上に該当 | 90点 |
| 小児口腔機能管理料2 | 評価項目2項目に該当 | 50点 |
| 情報通信機器を用いた場合 | 過去に算定した患者に限る | 78点/44点 (管理料1/2) |
見直し 口腔機能管理料
【要約】対象を「口腔機能の低下を来しているもの」から「口腔機能低下症の患者」に明確化。検査実施の有無で2種類に分化。
| 区分 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 口腔機能管理料1 | 以下の検査のいずれかを実施した口腔機能低下症の患者: ・口腔細菌定量検査(2に限る) ・咀嚼能力検査(1に限る) ・咬合圧検査(1に限る) ・口腔粘膜湿潤度検査 ・舌圧検査 |
90点 |
| 口腔機能管理料2 | 上記以外の口腔機能低下症患者 | 50点 |
新設 口腔機能実地指導料(B001-2-2・独立した新設項目)
【要約】現行の歯科衛生実地指導料の注3「口腔機能指導加算」(12点)を削除し、代わりに独立した新設項目として新設。研修を受けた歯科衛生士が主治の歯科医師の指示を受けて口腔機能に係る指導を行い、指導内容に係る情報を文書により提供した場合に算定。対象は口腔機能発達不全症又は口腔機能低下症の患者。月1回に限り算定。
【廃止】歯科衛生実地指導料の注3「口腔機能指導加算」(12点)
従来は歯科衛生実地指導料の加算(12点)として評価されていたものが、独立した指導料に格上げされました。
⚠️ 併算定不可:C001-7(在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料)を算定している月は算定できない
【施設基準(新設)】
- 口腔機能発達不全症及び口腔機能低下症の実地指導に係る適切な研修を受けた歯科衛生士が1名以上配置
- 歯科衛生士が口腔機能の指導を行うための設備及び体制
4. 歯周病治療
新設 歯周病継続支援治療(SPT・P重防の統合)
【要約】従来の「歯周病安定期治療(SPT)」と「歯周病重症化予防治療(P重防)」を統合・再編。「一時的に病状が安定した状態」の要件を「継続支援が必要な患者」に変更。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 1 1歯以上10歯未満 | 170点 |
| 2 10歯以上20歯未満 | 200点 |
| 3 20歯以上 | 350点 |
【主な算定要件】
- 注1:一連の歯周病治療終了後、継続支援が必要な患者に対し、歯周組織の状態維持又は重症化予防を目的として、プラークコントロール、スケーリング、SRP、咬合調整、機械的歯面清掃等を実施した場合、月1回算定
- 注2:2回目以降は前回実施月の翌月初日から2月を経過した日以降に算定(歯周外科手術後・口管強届出医療機関は除く)
- 注3(口管強加算):口腔管理体制強化加算の届出医療機関は120点加算
- 注4(重症化予防連携強化加算):他の保険医療機関(歯科以外)からの情報に基づき実施し、診療情報を提供した場合に加算
見直し 歯周病患者画像活用指導料
【要約】口腔内写真の枚数に応じた評価から、「口腔内画像」と「顕微鏡画像」の2区分に再編。
| 区分 | 内容 | 算定 |
|---|---|---|
| 1 口腔内画像 | 口腔内写真を撮影し指導 | 歯周病検査時 |
| 2 顕微鏡画像 | 位相差顕微鏡の画像を用いて動機付け指導 | 患者1人につき1回 |
5. 在宅歯科医療
廃止 在宅歯科医療推進加算 → 新設 在宅療養支援歯科診療所加算等
【要約】一律100点の「在宅歯科医療推進加算」を廃止し、施設の機能・実績に応じた3段階の加算に再編。
| 区分(訪問診療1に加算) | 点数 |
|---|---|
| 在宅療養支援歯科診療所加算1 | 100点 |
| 在宅療養支援歯科診療所加算2 | 50点 |
| 在宅療養支援歯科病院加算 | 100点 |
新設 歯科訪問診療4・5の施設基準
【要約】従来施設基準がなかった訪問4・5に新たに基準を設定。歯援診1・2・歯援病の届出がない場合、施設基準を満たさなければ減算。
⚠️ 経過措置:令和9年5月31日まで
見直し 在宅療養支援歯科診療所1(歯援診1)の施設基準
【要約】実績要件を「過去1年間」から「直近1か月」評価に変更(毎月評価)。臨床研修施設のルートを追加。
【実績要件(ア)】以下のいずれかに該当:
- (イ) 直近1か月に訪問診療1・2又は3を合計10回以上算定
- (ロ) 直近1か月に訪問診療2~5を5回以上算定し、うち20分以上が6割以上
- (ハ) 直近1か月に訪問口腔リハ又は小児訪問口腔リハを合計5回以上算定
- (ニ) 新設 研修歯科医を受け入れ、訪問診療教育を実施している臨床研修施設
見直し 在宅療養支援歯科診療所2(歯援診2)の施設基準
【要約】臨床研修施設であれば、訪問実績なしでも届出可能に。
見直し 歯科訪問診療の緊急対応の明確化
【算定留意事項】
1人の同一建物居住者に対して歯科訪問診療実施中に、患者等の求めに応じて緊急に他患者を診療する必要性を認め、結果として2人の同一建物居住者への歯科訪問診療となった場合、いずれの患者も訪問診療1を算定して差し支えない。
⚠️ ただし、緊急に歯科訪問診療を実施する必要があった理由を診療録に記載すること。
見直し 訪問歯科衛生指導料
【要約】人数に応じた評価を見直し、特別の関係の施設に対する評価を適正化(注4新設)。
見直し 在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料
【要約】区分4を新設(自宅療養患者への食事観察等を評価)。実施者を拡大:全区分で「歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士」に変更。
| 区分 | 対象 | 点数 |
|---|---|---|
| 1 | 他の保険医療機関に入院している患者(NSTへの参加) | 100点 |
| 2 | 介護保険施設等に入所している患者(食事観察等) | 100点 |
| 3 | 障害児入所施設等に入所している患者(食事観察等) | 100点 |
| 4 🆕 | 自宅での療養を行っている患者(食事観察等) | 100点 |
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会「個別改定項目(その1)~(その3)」(令和8年1月23日~30日)および答申書(令和8年2月13日)
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況については関係機関にご確認ください。